医師の処方箋がないと使えない医療用医薬品も、骨粗しょう症治療薬のように、すぐに効き目が現れないものもありますし、違うメーカーが販売していても、化学構造式の基本骨格は同じなので殆ど似たような薬剤作用であったり、全く同じ成分なのに、製品名を違うものにしてそれぞれのメーカーに販売させて、どちらが売れるか競わせるなんていう事が数年前の医療用医薬品業界では起こっていました。その時に重要視される点のひとつが、製品名いわゆるネーミングです。
文字数について
ネーミングはいざ付けようと思うと意外と難しいもので、社内公募に頼ってみたりする事もありますが、昔から4文字か5文字が覚えてもらい易いというので、その前後になる文字数で、印象深いネーミングを付けようとするメーカーが多かったものです。 現在は、5文字のネーミングも多くなってきていますが、それでも覚えやすい文字数というのは、昔も今でも変わってはいません。
売れるかどうかについて
覚えやすいネーミングの付け方、良いイメージのネーミングというのは基本的に大事ですが、医療用医薬品の場合は、MRがルート営業で宣伝していくことがメインなので、日頃の営業マンとの人間関係、日頃から世話になっているかどうか等も、その製剤を使うか、採用するかどうかに関わってきます。 但し、有用性の高い製剤は、営業マンの地道な努力ではなく、医師同士で宣伝しあってくれたり、学会報告などで取り上げて、使う側で自然に着目されて売れていくことがあり、その場合はネーミングの問題はあまり関係無くなってきます。 ーただし、この数年はコロナ禍で訪問営業が出来なかったので、その事が将来的にどう影響するのか全国的に様子を視ていく必要はありますー
切実な点
ここまで医療用医薬品のネーミングについて書きましたが、製薬メーカーも民間企業・利益追求集団ではあるため、10年以上、何十・何百億という予算の治験を通じ承認された薬効成分で創られた製剤での投資回収、利益追求が果たせないと、健康のため、人命救助のための医薬品が創れず、製薬会社も潰れてしまうので、MRを活用して必死で利益を出そうと努力をしています。 製剤のネーミングに懸ける思い入れというのは、意外と大きいものです。
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