楽器を演奏する人にとって、邦楽、洋楽ともに、しきたりや慣習の違いはあれ、結局は音楽的に求めるものは同じですが、こと尺八というのは心技体+精神が合わさっていないと本当の意味では上手くいきません。
楽器の鳴り・響き
練習などでは良い音が鳴っていたとしても、意外と演奏会本番では同じ角度で鳴らしても、音が出なかったり、出にくかったりすることが多々あります。尺八の管内の湿度・温度にも関係するようで、演奏前に管内へ温かい息を吹きかけて温めると鳴りやすくなります。 尺八の音が鳴らないのは、とあるプロの尺八演奏家が演奏会にて曲を演奏するのに、周囲の琴や三線の音は鳴っていても、尺八だけは音が出なくて困っていたのを目の辺りにしているので、やはり鳴らすことに関しては完璧な楽器ではないのです。
実演、うまく運ぶために
もちろん十分な練習は大事ですが、自分が習った先生が選んだ物を買うというよりは、習う前に尺八を製作している製作工房を何軒も回って、現在の相場であれば工房が付けている値段が15万前後で、吹くところ(唄口と呼ぶ)が自分の唇の形に合っていて、竹の色や形も好みのものを選んで買ったものを持参して習った方が、経済的にも身のためでしょう。 とにかく良い音が鳴るかどうかと、演奏技術(指使い)と2つに分けて看た場合に、まず音が鳴らないと、技どころでは無いので、第1に鳴り易い楽器を選択しないと、この楽器は話しにならない訳です。
読譜
リズムを取り、楽譜を読む訓練、音感をつけるのも大事ですが、尺八の場合は、上記に書いた内容をまずは果たせば、その延長線上として練習継続により、読譜および良い実演ができるようになっていきます。
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